マルセイユ対モンペリエ
リストラにあって職を失い、心の整理をしていた5月末、「パリに行こう」思い立って、出発2日前にホテルと航空機を手配した。
シャルルドゴール空港に着くと、いきなりバスがストライキで出鼻を挫かれたが、凱旋門まで行くバスが動いていて事なきを得た。
地下鉄の駅にさえ着けばどこにでも行ける。
現地の新聞を見て、サッカー リーグアンの試合を探すが、パリ近郊での開催は無さそうだ残念。
シャンゼリゼ通りのベンチで、缶ビールをあおりながら、多種多様な人種の人並みを眺め、人生を考えてみる。
と、
同じユニフォームを着た人達がチラチラと目に入るようになった。
何処かは分からないけど、サッカーのユニフォームであることは分かった。
尋ねてみる。
「なんの服?」
「モンペリエ?」
「今日試合あるの?」
「どこ?」
「スタッド・ドゥ・フランス!」
「あの有名な!!」
「どうやって行くの?」
どうやらカップ戦の決勝があるらしい。
早速スタッド・ドゥ・フランスへ向かうことにした。
地下鉄の最終駅からひとつ先。
地下鉄の切符では改札を出られないので要注意!
駅員もいない。
途方に暮れていると、現地のSuica的なものを持ったお姉さんが外から開けてくれて命拾いした。
ありがとうお姉さん。
スタジアムまで歩き、見つけた警備員に話しかけると「チケット無いよ」と。
それを見ていた少年グループが近づいて来る。
ちょっと怖いな…
「チケットあるよ。90ユーロ」
ダフ屋だ。
高めの値付けに少し悩んだが、せっかく来たのだからと、トライすることにした。
大金90ユーロ
手持ちがないと言うと、ATMまで見張り付きで連れて行かれて更に怖い…
気を使ってか、この3月にあった津波を心配する雑談をしてくれた。
画して、観戦チケットも入手できた。
試合は20:00頃からで、ビールを飲みながら、出店など出てお祭り気分の通りを眺めながら過ごす。
優雅な時間だ。
スタジアム自体はごく普通で、エコパに似た感じかなと思ったくらい。
さほどの感動は無かった。
でも、あのワールドカップ決勝が行われた会場に入ることが出来たんだ!
一生の記念だ。
試合はJリーグよりちょっと下くらいのレベルに感じた。
終了間際の先制ゴールでマルセイユがカップを手にした。
フランスサッカーの雰囲気をたっぷり味わうことができた。
出足から終わり迄、行き当たりばったりの気まま旅も、意外に成果があった。
その後の人生の糧になったかどうかは…