素人に毛が生えた程度という言い回しがありますが、
素人に毛すら生えて無いようなこの2人のユニット。
Winkです。
鈴木早智子と相田翔子ともに雑誌のミスコン優勝者で、ルックスの素性は良かったですが、如何にせん素人ぽ過ぎた。
アイドルとしてレッスンをしていないんじゃないかと思っていました。
本稿を書くにあたって初めて知ったのですが、Winkは当初スタジオミュージシャンのような形で活動する予定で、あまりマスコミ露出をしない方針だったそうで、腑に落ちました。
世が世ならZARDになっていたかも知れないってことですかね。
デビュー曲「Sugar Baby Love」は、前述の通りテレビなどの露出が抑えられていたせいか、曲こそ知っていたものの、歌っている姿は比較的最近まで30年も見たことがありませんでした。
初めて見た感想は、ダンスは相当ぎこちなく拙い、振り付けも垢抜けないという、これまで知っていたWinkよりもWinkらしい印象でした。
2曲目「アマリリス」に至ってはその存在もあまり記憶にないです。
3曲目「愛が止まらない」でブレイクを果たします。
きっかけは、なんと言っても南野陽子のドラマ「追いかけたいの」タイアップと、曲自体の良さだと思います。
洋楽カバーで歌謡曲くささが無い、俗世間から乖離したような印象が、可憐なWinkの2人にマッチしたと思います。
デビュー曲も南野陽子のドラマ「熱っぽいの」タイアップと洋楽カバーだったわけですが、それとは一線を画す仕上がりです。
では、何が変わったのか。
まず、ダンスが洗練されたことが挙げられます。
決して難しくはないのですが、2人でそれぞれ違う動きをするマリオネットの様な非対称な振り付けは、とても新鮮でこの曲調にピッタリ合ったと思います。
この曲から振り付け師が五十嵐薫子になりました。
また、切なく共感できる歌詩がいいです。
及川眠子の参加で、歌の世界が広かったと思います。
そして、原曲よりも魅力的でエモーショナルな編曲が外せません。
これは船山基紀によるものです。
あと、衣装が急激に垢抜けました。
これも2人それぞれ違うデザインで、ゴシック調のドレスになりました。
これはスタイリスト・源香代子が担当しました。
この曲から参加した五十嵐薫子,及川眠子,船山基紀,源香代子の4人は、この後のWink全盛期を支えることになります。
こうして、「愛が止まらない」は、リピートしたい心地良い楽曲に仕上がっていきました。
60万枚を超えるヒットを記録し、トップアイドルに登り詰めると共に、Winkのスタイルを作り上げることになりました。
オリコン5曲連続1位、レコード大賞受賞など輝かしい業績で一時代を築きました。
その後、良曲を出しながらも少しずつ売り上げを減らし、しかし毎年しっかり3曲のリリースを続け8年にも及ぶ活動を終えました。
今回、Winkを見直してみて改めてその魅力に気づいた部分があります。
偶然が重なってたまたま売れたいう印象を持っていたのですが、少なからず必然があったように思います。
Winkがもっと好きになりました。